コロナ禍で在宅勤務が臨時的な対応として普及していましたが、最近では恒常的な対応として在宅勤務を推奨する企業が増えてきました。
自宅でも会社と同様の環境で仕事ができるように、PCやモニター、机、いす等を会社負担で用意するケースも多く見られますが、現物給与として課税される可能性がある点に留意が必要です。
会社で購入して従業員宅に送ったり従業員自らが購入して事後精算するなど、物品の調達形態はありますが、従業員に「支給」する場合には原則として給与課税の対象となるためご留意ください。
所得税法上、給与所得を有する者がその使用者から受ける金銭以外のもの(経済的な利益を含む)でその職務の性質上欠くことのできないものとして政令で定めるものは非課税所得とされています(所法9①六、所例21)。
しかし、政令に示されている非課税物品は限定的であり、上記のような物品は対象となっていませんので、このような在宅勤務を行うために必要な物品を「支給」した場合には、原則として給与課税の対象となるものと考えられます。
一方で、在宅勤務を行うために必要な物品を「貸与」した場合には、その物品は会社の資産となるため、給与課税の対象となりません。
これは、最終的に会社からの「貸与」する場合で、従業員自らが物品を購入したものを事後精算するケースについても同様です。
ただし、会社が在宅勤務の環境整備のため等として従業員に一定額を支給するケースについては、事後精算のない渡し切り支給の場合には給与として課税されることとなるため留意が必要です。