新型コロナウイルス等の影響により、役員給与を減額するのではなく未払いとするケースもあると思います。
今回は役員給与を未払いとする場合の課税関係について解説いたします。
資金繰りが悪化したことなどにより、役員給与を支払えずに未払いとしてやむを得ず処理することもあると思います。
この場合、資金繰りの悪化等のやむを得ない事情であれば、未払の期間に関わらず定期同額給与の要件を満たすものと考えられております。
法人税法上、役員給与の支給とは、支払いのことを意味しているものではなく、債務の確定を意味するものと解されており、たとえ未払いであっても支給時期が到来していれば債務確定の要件を満たすものと考えられます。
なお、法人税法上、債務確定の要件は以下のすべてに該当するものをいいます。
①その事業年度終了の日までに当該費用に掛かる債務が成立していること
②その事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること
➂その事業年度終了の日までに金額を合理的に算定することができるものであること
また、税務調査で否認されるリスクについては、資金繰りの悪化等のやむを得ない事情があるかどうかが焦点になりますので、やむを得ない事情がない場合に未払いとすることは避けた方がよいものと考えます。