インボイス制度Q&A

インボイス制度が導入される令和5年10月1日まで残りわずかとなりました。
国税庁の適格請求書発行事業者の登録件数は、令和5年6月末現在で3,318,422件となっております。
(申請件数としてはおよそ356万件になっております。)
法人の課税事業者では約94%、個人の課税事業者では約66%が適格請求書発行事業者への登録をしており、
多くの事業者の方がインボイス制度へ向けて準備を進めていると考えられます。

今回は、インボイス制度における疑問点についていくつかご紹介したいと思います。

1 免税事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合には、
登録を受けた日から課税事業者となりますが、その課税期
間から簡易課税制度の適用を受けることはできますか。
免税事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に
適格請求書発行事業者の登録を受けることとなった場合には、登録日から課税事業者となります。
このように適格請求書発行事業者へ登録したことによって課税事業者となった事業者が、登録日の属する課税期間中に
その課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を
納税地を所轄する税務署長へ提出した場合には、その課税期間の初日の前日に消費税簡易課税制度選択届出書を提出したものとみなされます。
したがって、登録日の属する課税期間中に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することによって、
その課税期間から、簡易課税制度の適用を受けることが可能になります。

2 免税事業者との取引について、消費税相当額を支払わなくてよいでしょうか。
独占禁止法や下請法上の考え方として、取引における地位が相手よりも優越している事業者が、
インボイス制度のおける経過措置※によって、仕入税額控除が認められているにもかかわらず、
取引先の免税事業者に対して、その地位を利用し、インボイス制度実施後も課税事業者にはならず、免税事業者を選択する場合には、
消費税相当額を取引価格から引き下げるなど不当に不利益を与えることは、独占禁止法上禁止されています。
※ 免税事業者からの課税仕入れにおける仕入税額控除が下記の通りとされます。
  令和5年10月1日~令和  8年9月30日:仕入税額相当額の8割
  令和8年10月1日~令和11年9月30日:仕入税額相当額の5割

3 標準税率である「10%」の取引しかない場合でも、「8%」や「0円」などの記載は必要でしょうか。
インボイスの記載事項について、販売する商品等に「8%」の対象となるものがない場合には、
「8%」や「0円」といった記載は不要です。
よって、「10%」対象の取引のみであれば、その取引に対する「金額」や「税率」などを記載すれば良いです。

4 取引先に渡す書類について、全ての書類をインボイスとする必要はあるのでしょうか。
インボイスとは、取引に係る消費税額や適格請求書発行事業者の登録番号などの一定事項を記載した書類を言い、請求書や納品書などが該当します。
売上先に交付する書類のうち、納品書、請求書、領収書などが挙げられますが、これら全ての書類をインボイスとする必要はありません。
インボイスとする書類をどれにするかは、売上先と相談して決めることが可能です。

5 非課税売上げのインボイスの記載について。
インボイスとは、インボイス発行事業者である売手と買手の間で課税取引を行った場合、
売手が、買手からインボイスの交付を求められた場合に交付義務を負うものとなります。
したがって、そもそも消費税が非課税となる取引である場合には、インボイスの交付義務は生じません。
その為、非課税取引の場合に作成する書類の記載内容については消費税法上定められていないことから、任意の方法で差し支えございません。

 

 

 

 

 

 

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