2021年4月1日から「税込価格」の総額表示が必要となります。
今回は対象となる範囲や、価格表示変更によるコスト増を抑える実務上の工夫についてご紹介いたします。
■対象となる範囲
総額表示義務は、「事業者が不特定かつ多数の者に、あらかじめ販売する商品等の価格を表示する場合」が対象となります。そのため、お店での価格表示だけではなく、チラシや広告等での価格表示も対象となります。従って、取引先に対する請求書や領収書等は、個々の相手方への交付となるため、総額表示義務の対象外となる点、ご留意ください。
■表示方法上の留意点
総額表示義務では、あくまでも「税込価格」が適切に表示されてさえいればよいとされています。そのため、「税抜価格」「消費税額」「消費税率」についても一緒に表示していても問題にはなりません。
■端数処理について
1円未満の端数が生じた場合は、四捨五入、切り捨て又は切り上げのいずれでも処理可能です。端数処理を考えずに、1円未満の端数込みで「税込価格」を表示することも認められます。
■メニューコストを削減する実務上の工夫について
商品そのものには「税抜価格」のみとなっている場合でも、POPや棚札等で「税込価格」が明瞭にわかるようになっていれば、総額表示として認められます。具体的には、以下の工夫が考えられます。
・お店の中に、POP等を掲示して、税込価格を表示する
・お店の陳列棚に税込価格を表示する
・税抜価格と税込価格の価格の読み替え表を掲示、または配布する
・税込価格を表示したカード等を挟み込む
なお、Web上の販売においては、Web上で「税込価格」が明瞭に表示されてさえいれば、配送される商品そのものには「税抜価格」しか表示されていなかったとしても問題にはなりません。